衛生管理者試験の出題範囲・問題数は?第一種・第二種の科目を比較

執筆・編集まっく部長公開日

衛生管理者試験で何を勉強すればよいのか確認するには、最初に第一種・第二種それぞれの科目、出題範囲、問題数を整理すると分かりやすくなります。第一種は44問、第二種は30問ですが、単に問題数だけが違うわけではありません。

公益財団法人安全衛生技術試験協会の正式な試験科目は、第一種・第二種とも労働衛生・関係法令・労働生理の3科目です。ただし第一種では労働衛生と関係法令が、それぞれ「有害業務に係るもの」と「有害業務に係るもの以外」に分かれます。

そのため本記事では、第一種を3科目・5範囲、第二種を3科目として整理します。さらに2026年4月公表試験問題を確認し、各範囲で実際にどのような論点が出題されているのかも紹介します。

30秒で確認|第一種・第二種の出題範囲
  • 共通する正式科目:労働衛生・関係法令・労働生理の3科目
  • 第一種:3科目・5範囲、44問、400点
  • 第二種:3科目、30問、300点
  • 第一種だけ:有害業務に係る労働衛生・関係法令が含まれる
  • 試験時間:通常の第一種・第二種はいずれも3時間
  • 出題形式:五肢択一式で正答は1問につき1つ
目次

衛生管理者試験は3科目|第一種44問・第二種30問

まず試験全体を一枚で比較します。第一種と第二種は科目名そのものが大きく異なるのではなく、有害業務に係る範囲を含むかどうかと、各範囲の問題数・配点が主な違いです。

科目・範囲 第一種 第二種
関係法令
有害業務
10問・80点 出題範囲外
労働衛生
有害業務
10問・80点 出題範囲外
関係法令
有害業務以外
7問・70点 10問・100点
労働衛生
有害業務以外
7問・70点 10問・100点
労働生理 10問・100点 10問・100点
合計 44問・400点 30問・300点
「第一種は5科目」と考えるより「3科目・5範囲」で整理

学習サイトなどでは第一種を便宜上「5科目」と表現することがありますが、安全衛生技術試験協会の試験科目は労働衛生・関係法令・労働生理の3科目です。労働衛生と関係法令が有害業務/それ以外に分かれるため、5つの範囲で出題されると理解すると整理しやすくなります。

なお、第一種・第二種のどちらを取得すべきかは試験範囲の広さだけでは決まりません。衛生管理者として選任される予定の事業場の業種を先に確認してください。

第一種衛生管理者の出題範囲・問題数

第一種衛生管理者は44問です。労働衛生・関係法令について有害業務に係る範囲まで学ぶため、第二種より出題範囲が広くなります。

2026年4月公表試験問題では、問1〜20が有害業務、問21〜34が有害業務以外、問35〜44が労働生理という順に構成されています。これは公表問題を読むときにも便利な区切り方です。

2026年4月公表問題 範囲 問題数 配点
問1〜10 関係法令
有害業務
10問 80点
問11〜20 労働衛生
有害業務
10問 80点
問21〜27 関係法令
有害業務以外
7問 70点
問28〜34 労働衛生
有害業務以外
7問 70点
問35〜44 労働生理 10問 100点

関係法令|有害業務に係るものは10問

有害業務に関する法令上のルールを問う範囲です。2026年4月公表問題では、衛生管理体制、保護具、特定化学物質、有機溶剤、作業環境測定、特別教育などに関する問題が確認できます。

第一種では、物質名だけを暗記するのではなく、どの作業にどの規制がかかるのか、測定・健康診断・設備・保護具などの要件を法令と結び付けて判断する問題が含まれます。

労働衛生|有害業務に係るものは10問

有害要因そのものの性質や健康影響、作業環境管理、作業管理などを扱う範囲です。2026年4月公表問題では、化学物質の性質、リスク低減措置、有機溶剤、騒音障害、職業性疾病、生物学的モニタリングなどが出題されています。

有害業務の20問は第一種にだけ加わる範囲です。そのため、第二種から第一種へ進む人にとっても、この部分が新たな学習対象になります。

関係法令|有害業務以外は7問

一般的な労働衛生管理に関する法令を扱います。2026年4月公表問題では、産業医、労働衛生コンサルタント、健康診断、年次有給休暇、時間外・休日労働などに関する問題を確認できます。

労働衛生|有害業務以外は7問

一般的な職場の健康管理や作業環境などを扱います。2026年4月公表問題では、温熱条件、健康保持増進対策などが出題されています。

労働生理は10問

人体の基本的な仕組みに関する科目です。2026年4月公表問題では、感覚器、消化器系、神経系などが確認できます。法律を覚える科目ではないため、関係法令とは学習の性質も異なります。

第二種衛生管理者の出題範囲・問題数

第二種衛生管理者は30問です。第一種にある有害業務に係る労働衛生・関係法令は試験範囲に含まれず、関係法令・労働衛生・労働生理の3科目を各10問ずつ解答します。

2026年4月公表問題 科目 問題数 配点
問1〜10 関係法令 10問 100点
問11〜20 労働衛生 10問 100点
問21〜30 労働生理 10問 100点
合計 - 30問 300点

関係法令は10問

第二種の関係法令では、一般的な事業場の衛生管理に関するルールを扱います。2026年4月公表問題では、衛生管理体制、産業医、健康診断、医師による面接指導、衛生委員会、事業場の衛生基準、労働時間などに関する出題が確認できます。

労働衛生は10問

労働者の健康管理や職場環境、応急処置などを扱います。2026年4月公表問題では、スクリーニング検査、食中毒、一次救命処置などが出題されています。

労働生理は10問

労働生理は10問100点です。2026年4月公表問題では、感覚器、消化器系、神経系、肝臓など人体の機能に関する問題が確認できます。

第一種と第二種の出題範囲は何が違う?

最も大きな違いは、有害業務に係る労働衛生・関係法令が第一種に含まれることです。ただし「第一種に20問追加されているだけ」と考えると、問題数の構成を正確に理解できません。

比較 第一種 第二種
正式な科目 3科目 3科目
判別しやすい範囲 5範囲 3科目
有害業務 あり なし
有害業務の問題 20問 0問
非有害の関係法令 7問 10問
非有害の労働衛生 7問 10問
労働生理 10問 10問
合計 44問 30問

第二種は第一種から有害業務20問を引いただけではない

ここは出題範囲を理解するときに特に間違えやすいポイントです。第一種44問のうち有害業務に係る問題は20問なので、単純に引き算すると24問になります。

しかし第二種は30問あります。第一種では有害業務以外の関係法令と労働衛生がそれぞれ7問なのに対し、第二種ではそれぞれ10問だからです。

問題数を引き算しない
第一種 第二種
有害業務 20問 0問
有害業務以外の関係法令 7問 10問
有害業務以外の労働衛生 7問 10問
労働生理 10問 10問
合計 44問 30問

第一種44問 − 有害業務20問 = 第二種24問ではありません。第二種では有害業務を除いた関係法令・労働衛生の問題数がそれぞれ10問になるため、全体で30問です。

3科目では何を問われる?公表試験問題から見る代表論点

安全衛生技術試験協会が公式に示している試験科目は大きな区分です。そのため、以下は「この項目が毎回必ず出る」という公式シラバスではありません。

ここでは2026年4月公表試験問題で実際に確認できるテーマを代表例として整理します。出題内容は今後変わる可能性があるため、学習時には最新の公表問題も確認してください。

関係法令の代表論点

区分 公表問題で確認できる代表例
第一種・有害業務 衛生管理体制、特定化学物質、有機溶剤、保護具、作業環境測定、特別教育など
第一種・有害業務以外 産業医、健康診断、労働衛生コンサルタント、年次有給休暇、時間外・休日労働など
第二種 衛生管理体制、産業医、健康診断、面接指導、衛生委員会、職場の衛生基準、労働時間など

労働衛生の代表論点

区分 公表問題で確認できる代表例
第一種・有害業務 化学物質の性質、リスク低減措置、有機溶剤、騒音障害、職業性疾病、生物学的モニタリングなど
第一種・有害業務以外 温熱条件、健康保持増進対策など
第二種 スクリーニング検査、食中毒、一次救命処置など

労働生理の代表論点

科目 公表問題で確認できる代表例
労働生理 感覚器、消化器系、神経系、肝臓など人体の構造・機能
この表は「頻出ランキング」ではありません

上表は2026年4月公表試験問題から確認できる代表例です。「このテーマから毎回○問出る」「この項目だけ覚えればよい」という意味ではありません。試験範囲全体を把握したうえで、最新の公表問題を使って実際の問われ方を確認してください。

試験形式・試験時間も確認しておく

第一種・第二種の公表問題では、問題は五肢択一式で、正答は1問につき1つです。通常の第一種・第二種はいずれも試験時間3時間ですが、特例第一種や労働生理の科目免除者では問題数と試験時間が変わります。

受験区分 問題数 試験時間
第一種・通常 44問 3時間
第二種・通常 30問 3時間
特例第一種 20問 2時間
第一種・労働生理免除 34問 2時間15分
第二種・労働生理免除 20問 2時間15分

特例第一種は、第二種衛生管理者免許を受けた人が第一種を受験する場合の試験です。有害業務に係る労働衛生10問と関係法令10問の計20問を受験します。

試験日程や実際の開始時刻、会場については別記事で整理しています。出張特別試験では開始時刻が異なる場合があるため、受験時は自分の受験票と会場案内を確認してください。

衛生管理者試験の日程・会場・受験料・試験時間を確認する →

合格基準は出題範囲とは分けて確認する

出題範囲と一緒に確認しておきたいのが合格基準です。ただしこのページでは「何が出るか」に絞り、何点・何問取れば合格するかは以下の関連記事で詳しく整理しています。

特に第一種では1問8点と10点が混在するため、44問中の正答数だけでは合否を判定できません。過去問を自己採点するときは、5範囲ごとの足切りと合計得点を確認してください。

出題範囲を把握したら過去問で実際の問われ方を見る

科目名と問題数が分かったら、次に公式の公表試験問題を1回分見てみると試験のイメージが具体的になります。最初から高得点を取る必要はなく、どの範囲で知らない用語が多いのかを確認するだけでも構いません。

過去問を何年分・何周使うか、○・△・×で弱点を管理する方法は、過去問の使い方を解説した記事で整理しています。出題範囲を確認した後に読むと、問題演習へ移りやすくなります。

試験範囲を確認した後の4ステップ
STEP
第一種・第二種を確定する

会社から取得を求められている場合は、選任予定の事業場の業種と会社の指定を確認します。

STEP
合格基準を理解する

どの科目・範囲で何点必要なのかを確認します。第一種では5範囲に分けて自己採点することが重要です。

STEP
公表試験問題を1回分見る

実際の五肢択一式問題を見て、科目名だけでは分からなかった問題の具体像を確認します。

STEP
試験日から学習期間を逆算する

範囲と現在地が分かってから、1〜3か月の学習計画へ落とします。最初に必要以上の教材を買う必要はありません。

衛生管理者の過去問は何年分・何周やる?公式問題の使い方を見る →

独学なら出題範囲を全部暗記してから過去問へ進む必要はない

出題範囲を見ると、第一種は特に覚える内容が多く感じられます。しかし最初から全範囲を完璧に覚え、その後で初めて過去問へ進む必要はありません。

まず全体像を把握し、テキストで基礎を学びながら早い段階で公表問題にも触れる方が、どの知識がどのように問われるのかを確認できます。自分で教材選びや学習計画を管理できるかどうかも、独学を続けるか判断するポイントです。

保存用|受験前に確認する試験範囲チェックリスト

最後に、試験範囲を確認するときのチェック項目をまとめます。勉強を始める前だけでなく、過去問演習へ移るときにも確認できます。

第一種を受験する場合
  • □ 正式な科目は労働衛生・関係法令・労働生理の3科目と理解した
  • □ 労働衛生を有害10問+非有害7問に分けて把握した
  • □ 関係法令を有害10問+非有害7問に分けて把握した
  • □ 労働生理は10問と確認した
  • □ 全44問・400点と確認した
  • □ 有害業務20問が第一種独自の学習範囲であると理解した
  • □ 公表問題で5範囲の実際の問われ方を確認した
第二種を受験する場合
  • □ 関係法令10問と確認した
  • □ 労働衛生10問と確認した
  • □ 労働生理10問と確認した
  • □ 全30問・300点と確認した
  • □ 有害業務に係る範囲は含まれないと理解した
  • □ 第一種44問から20問を単純に引いた試験ではないと理解した
  • □ 公表問題で3科目の実際の問われ方を確認した

衛生管理者試験の出題範囲でよくある質問

第一種衛生管理者は5科目ですか?

安全衛生技術試験協会の正式な試験科目は、労働衛生・関係法令・労働生理の3科目です。ただし第一種では労働衛生と関係法令が有害業務/それ以外に分かれるため、本記事では3科目・5範囲として整理しています。

第一種衛生管理者は何問ありますか?

通常の第一種衛生管理者試験は44問です。有害業務に係る関係法令10問、労働衛生10問、有害業務以外の関係法令7問、労働衛生7問、労働生理10問で構成されます。

第二種衛生管理者は何問ありますか?

通常の第二種衛生管理者試験は30問です。関係法令・労働衛生・労働生理がそれぞれ10問ずつ出題されます。

第二種は第一種から有害業務20問を削っただけですか?

違います。第一種の有害業務以外の問題は関係法令7問、労働衛生7問、労働生理10問の計24問です。一方、第二種は関係法令10問、労働衛生10問、労働生理10問の計30問なので、単純な引き算ではありません。

第一種と第二種で労働生理の問題数は違いますか?

通常試験では第一種・第二種とも労働生理は10問100点です。ただし、一定の要件を満たして労働生理の科目免除を受ける人は、この科目を解答しません。

衛生管理者試験に記述式問題はありますか?

現在の第一種・第二種衛生管理者の公表試験問題は五肢択一式で、正答は1問につき1つです。解答用紙へマークする形式です。

第一種衛生管理者の試験時間は第二種より長いですか?

通常受験者は第一種・第二種とも3時間です。第一種は44問、第二種は30問ですが、通常の試験時間は同じです。

特例第一種衛生管理者試験は何問ですか?

特例第一種は、有害業務に係る関係法令10問と労働衛生10問の計20問です。試験時間は2時間です。

まとめ|第一種は3科目5範囲、第二種は3科目で理解する

衛生管理者試験の正式な科目は、労働衛生・関係法令・労働生理の3科目です。第一種では労働衛生と関係法令が有害業務/それ以外に分かれるため、3科目・5範囲、44問400点として整理すると試験全体を把握しやすくなります。

第二種は有害業務に係る範囲を含まず、関係法令・労働衛生・労働生理を各10問、計30問300点で受験します。ただし第一種から有害業務20問を単純に削った試験ではなく、非有害の関係法令・労働衛生が第一種7問に対して第二種10問となる点も押さえておきましょう。

出題範囲が分かったら、次は合格基準を確認し、公式の公表試験問題を使って実際の問われ方を見ます。その後に試験日から必要な勉強時間を逆算すれば、学習計画へ移りやすくなります。

この記事で確認した主な一次資料

情報確認日:2026年10月1日。問題数、配点、試験時間、出題内容等は変更される場合があります。代表論点は2026年4月公表試験問題で確認できた出題例であり、公式が定める網羅的な出題項目一覧や頻出順位を示すものではありません。実際の受験時は公益財団法人安全衛生技術試験協会の最新情報をご確認ください。

この記事を書いた人

薬剤師・中小企業診断士。医療系企業で人事部長・経営企画部長を経験。人材採用や組織運営、経営企画の実務経験を背景に、衛生管理者の受験・資格選択を公的な一次資料・公式情報を確認しながら整理しています。

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