衛生管理者の過去問を始めるときに迷いやすいのが、何年分を解けばよいのか、同じ問題を何周すればよいのかという点です。過去問をたくさん集めても、すべてを同じように解いていると、働きながら受験する人は復習に十分な時間を回せなくなります。
まず優先したいのは、安全衛生技術試験協会が現在公開している公式の公表試験問題です。そのうえで、問題集なども使いながら直近2〜3年分に相当する4〜6回程度まで広げる方法を、当サイトでは標準的な学習目安としています。
ただし、4〜6回という数字は公式が指定する必要回数ではありません。大切なのは解いた回数ではなく、間違えた問題から弱点を見つけ、次の学習へつなげることです。
- 最初:公式の公表試験問題を1回分解いて現在地を確認する
- 優先:公式サイトで現在公開されている2掲載分を先に使う
- 標準:問題集等も含め、直近2〜3年分に相当する4〜6回程度まで広げる
- 1周目:全問を解き、○・△・×に分ける
- 2周目:△と×だけを解き直す
- 3周目:まだ×になる問題だけを再確認する
- 試験直前:未使用の問題を残せるなら、本番形式の確認に使う
- 古い問題:関係法令の数値・要件は最新情報と照合する
衛生管理者の過去問は何年分やればいい?
何年分やれば必ず合格できるという公式な基準はありません。第一種・第二種の違いだけでなく、学習開始時点の知識や試験までに残っている期間によっても、必要な演習量は変わります。
そのため、年数だけを目標にするよりも何回分を解き、どの程度理解できたかで判断する方が実用的です。まず1回分で現在地を確認し、その後に演習量を増やしていきます。
| 状況 | 過去問の目安 | 目的 |
|---|---|---|
| 出題形式を知りたい | 1回分 | 現在地と苦手科目を確認する |
| まず公式問題を押さえたい | 現在公開されている2掲載分 | 最近の公表問題に触れる |
| 標準的に対策したい | 4〜6回程度 | 出題の幅を広げながら反復する |
| 一度不合格になった | 回数を増やす前に誤答分析 | 同じ弱点を繰り返していないか確認する |
| 試験直前 | 未使用の1回分 | 初見状態で最終確認する |
※4〜6回程度は公式が定める基準ではなく、当サイトが学習範囲と復習時間のバランスを取るために設定している目安です。
最初は1回分で十分
まだ勉強を始めたばかりなら、いきなり何年分もの問題を順番に解く必要はありません。まず1回分を解き、関係法令・労働衛生・労働生理のどこで手が止まるのかを確認します。
第一種なら、有害業務に係る範囲も分けて見てください。この段階では点数が低くても問題なく、初回の目的は合格判定ではなく、これから何を勉強すべきかを見つけることです。
標準は4〜6回程度まで広げる
基礎学習が進んだら、当サイトでは直近2〜3年分に相当する4〜6回程度を一つの目安とします。公式サイトで公開されている問題に加え、市販の問題集などで過去回相当の問題を補う形です。
目的は4〜6回分の答えを暗記することではありません。同じ論点が違う聞かれ方をしても判断できるようにし、間違いが特定の科目や範囲へ偏っていないかを確認します。
10年分すべてを解くことを最初の目標にしない
過去問を多く解くこと自体に意味はありますが、10年分を一度ずつ解くだけでは、弱点を十分に復習できないことがあります。まずは直近の問題で間違えた理由を説明できる状態を作ることを優先してください。
特に関係法令は法改正の影響を受けます。古い問題へ広げるほど、現在の制度・数値・要件と一致しているかを確認する作業も必要になります。
過去問を何回分解けるかは、試験までに残っている期間でも変わります。先に勉強時間と学習期間を決めたい場合は、1〜3か月の学習計画から逆算してください。

公式の過去問は安全衛生技術試験協会で無料公開されている
第一種・第二種衛生管理者の公表試験問題は、公益財団法人安全衛生技術試験協会の公式サイトで無料公開されています。2026年10月2日時点では、第一種・第二種ともに令和8年10月掲載分と令和8年4月掲載分が案内されています。
| 掲載 | 公式が示す実施期間 | 使い方 |
|---|---|---|
| 令和8年10月掲載 | 2026年1〜6月に実施 | 最新側の確認・直前演習に使う |
| 令和8年4月掲載 | 2025年7〜12月に実施 | 初回診断・通常演習に使いやすい |
公式PDFでは、正答となる選択肢番号の前に「○」が付されています。一方で、個々の選択肢について詳しい解説が付く形式ではないため、間違えた理由が分からない場合はテキストや最新の法令へ戻って確認します。
安全衛生技術試験協会は、令和8年10月掲載・令和8年4月掲載の公表試験問題について、令和8年1月1日以降に施行された法令には対応していないと案内しています。
関係法令の問題を復習するときは、過去問の正答だけをそのまま暗記せず、現在の法令・公式情報・最新教材でも確認してください。
公式で複数回分を確認できる場合は、古い方を最初の実力確認に使い、新しい方を試験直前まで残す方法があります。初見問題を最後に残しておけば、答えを覚えていない状態で本番形式の確認をしやすくなります。
ただし、試験まで時間がない場合は無理に温存する必要はありません。現在地を知ることを優先し、利用できる問題から演習してください。
過去問は6ステップで回すと迷いにくい
過去問学習で重要なのは、何回解いたかではなく、間違いを次の学習へつなげることです。初回から満点を狙うのではなく、次の6ステップで弱点を絞ります。
最初は時間を厳密に測らなくても構いません。分からない問題を含めて最後まで進み、どの科目・範囲で手が止まるかを確認します。
正解して理由も説明できる問題は○、正解したが迷った問題は△、不正解や判断できなかった問題は×とします。偶然正解した問題を△として残すことがポイントです。
正答番号を書き写すだけで終わらせず、数字を混同したのか、主語を取り違えたのか、制度や用語そのものを知らなかったのかを短く残します。
テキストを最初から全部読み直す必要はありません。間違えた論点の前後へ戻り、同じテーマが別の聞かれ方をしても判断できる状態を目指します。
同じ問題の答えを覚えた状態で正解しても、理解できたとは限りません。別の公表回や問題集で、同じ論点が違う形で出たときに判断できるかを確認します。
未使用の問題を残せている場合は、試験直前に時間を意識して解きます。総得点だけでなく、科目・範囲ごとに大きく崩れていないかも確認してください。
過去問は何周する?全問を3回解く必要はない
過去問は3周という説明をよく見かけますが、同じ問題を毎回最初から最後まで解く必要はありません。理解済みの問題まで繰り返すより、2周目以降は△と×へ時間を寄せる方が効率的です。
| 周回 | 解く問題 | 目的 |
|---|---|---|
| 1周目 | 全問 | 出題形式と弱点を発見する |
| 2周目 | △・× | 曖昧な理解と誤答を減らす |
| 3周目 | まだ×になる問題 | 残った弱点を重点的に潰す |
| 直前 | 未使用問題 | 初見状態で最終確認する |
○・△・×は正答ではなく理解度で付ける
正解したから自動的に○にするのではなく、なぜその選択肢が正しく、ほかの選択肢が違うのかまで説明できるなら○とします。二択まで絞って偶然正解した問題や、根拠を説明できない問題は△に残してください。
- 問題番号・公表回
- 科目・範囲
- ○・△・×
- 間違えた理由を一言
長い間違いノートを作る必要はありません。「保存期間を混同」「誰の義務かを逆にした」「用語自体を知らなかった」のように、次回見たときに弱点が分かる程度で十分です。
第一種と第二種では弱点の分け方を変える
第一種と第二種では問題数と出題範囲が異なります。第一種は有害業務に係る労働衛生・関係法令が加わるため、単に「法令が苦手」とまとめず、5つの範囲に分けて誤答を管理すると弱点を見つけやすくなります。
| 区分 | 過去問で分けて確認する範囲 |
|---|---|
| 第一種 | 関係法令(有害)/労働衛生(有害)/関係法令(有害以外)/労働衛生(有害以外)/労働生理 |
| 第二種 | 関係法令/労働衛生/労働生理 |
第一種・第二種の試験範囲そのものを整理したい場合は、出題範囲の記事で問題数・配点とあわせて確認すると理解しやすくなります。
過去問はいつから始める?最初から1回は触ってよい
テキストを完璧に覚えてから過去問へ進む必要はありません。学習初期に1回分へ触れて試験の聞かれ方を確認し、その後にインプットへ戻る方が「何を覚える必要があるのか」を意識しやすくなります。
| 時期 | 過去問の使い方 |
|---|---|
| 学習初期 | 1回分を使って問題形式と弱点を知る |
| 学習中盤 | テキストと過去問を往復して△・×を減らす |
| 学習後半 | 別回を追加して初見問題への対応力を確認する |
| 試験直前 | 未使用問題で本番形式の最終確認をする |
働きながら受験する場合は、毎日同じ時間を確保できるとは限りません。過去問を解く日と、△・×だけを復習する日を分けると、短い時間でも進捗を作りやすくなります。


古い過去問は法改正に注意して使う
過去問を数年分へ広げるときに特に注意したいのが関係法令です。公式の公表問題でさえ、掲載時点より後に施行された法令へ対応していない場合があります。
したがって、古い問題で覚えた数字や要件を現在の正解として固定しないようにします。数値、対象者、保存期間、実施頻度、制度名などで迷った場合は、最新教材に加えて安全衛生技術試験協会やe-Gov法令検索などの一次資料へ戻って確認してください。
- 人数・時間などの数値基準
- 保存期間・実施頻度などの期間
- 対象となる労働者や事業場の条件
- 事業者・衛生管理者・産業医など誰の義務か
- 法令名・制度名・手続きの変更
問題が古いから使えないという意味ではありません。出題形式や論点を確認する教材として使いながら、変わる可能性がある部分だけ最新情報へ戻して確認します。
過去問を解いても点数が伸びないときの戻り方
何回も過去問を解いているのに点数が伸びない場合は、さらに新しい問題を追加する前に原因を分けます。同じ正答率でも、基礎知識が不足しているのか、問題文を読み違えているのか、特定の範囲だけ崩れているのかで次にすることは変わります。
| 状態 | 考えられる原因 | 次にすること |
|---|---|---|
| ほとんど判断できない | 基礎知識が不足 | テキストの該当範囲へ戻る |
| 二択で迷う問題が多い | 理解が曖昧 | △問題の根拠を言語化する |
| 同じ問題を何度も間違える | 誤答原因が未整理 | 数字・主語・例外など原因を分類する |
| 一つの科目・範囲だけ低い | 分野別の弱点 | その範囲だけ集中して復習する |
| 同じ問題なら正解できる | 答えを暗記している可能性 | 別回・初見問題で確認する |
| 時間をかければ解ける | 判断速度が不足 | 試験直前に時間を意識して解く |
なお、この表は公式の判定基準ではなく、当サイトが学習方法を整理するための判断表です。実際の合否は、安全衛生技術試験協会が示す合格基準で判定されます。
総得点だけではなく、科目・範囲ごとの40%も確認する必要があります。合格基準の記事では、第一種・第二種の判定方法を詳しく整理しています。
再受験では、問題数を増やす前に前回の弱点を切り分けます。再受験の手続きと勉強法は別記事で整理しています。

独学では過去問の解説不足をどう補う?
公式の公表問題は、本物の出題形式を確認できる一方で、各選択肢について詳しい解説が付いているわけではありません。独学では正答を確認するだけで終わらせず、分からない選択肢をテキストや一次資料で確認できる環境を用意しておきます。
市販の問題集を使う場合も、収録問題数だけではなく解説の内容を確認してください。自分が間違えたときに「なぜ違うのか」を理解できる教材なら、公式問題だけでは不足する解説を補いやすくなります。

保存用|過去問を解くたびに確認するチェックリスト
過去問を何回分解いたかだけを記録すると、学習量は分かっても弱点が見えません。1回分を解くたびに、次のチェックリストで次の行動まで決めておくと見返しやすくなります。
- □ 公表回・問題集の回を記録した
- □ 第一種・第二種を取り違えていない
- □ ○・△・×を付けた
- □ 正解したが迷った問題を△に残した
- □ ×の原因を一言で残した
- □ 科目・範囲ごとの弱点を確認した
- □ 間違えた論点だけテキストへ戻った
- □ 古い法令問題は最新情報を確認した
- □ 2周目は△・×だけに絞った
- □ 3周目は残った×だけに絞った
- □ 同じ問題の答えを暗記していないか別回で確認した
- □ 試験直前用の初見問題を残せている
衛生管理者の過去問でよくある質問
- 衛生管理者の過去問は何年分やればよいですか?
-
公式な指定年数はありません。当サイトでは、まず公式で現在公開されている公表問題を優先し、その後は問題集等も含め直近2〜3年分に相当する4〜6回程度まで広げる方法を一つの目安としています。試験までの時間が短い場合は、回数を増やすより△・×問題の復習を優先してください。
- 過去問は何周すればよいですか?
-
回数だけで決める必要はありません。目安として1周目は全問、2周目は△と×、3周目はまだ×になる問題だけを解くと、理解済みの問題へ時間を使いすぎずに済みます。
- 過去問だけで合格できますか?
-
過去問は重要な教材ですが、正答番号を暗記するだけでは十分とはいえません。間違えた理由を確認し、分からない論点をテキストや最新の法令へ戻って補う使い方が必要です。
- 無料の公式過去問はどこで見られますか?
-
公益財団法人安全衛生技術試験協会の「公表試験問題」ページで第一種・第二種のPDFを確認できます。2026年10月2日時点では、令和8年10月掲載分と令和8年4月掲載分が案内されています。
- 古い過去問も解いた方がよいですか?
-
出題形式や論点に触れる目的では利用できます。ただし関係法令などは制度変更の影響を受けるため、古い問題の正答をそのまま現在の知識として覚えず、最新の公式情報と照合してください。
- 最初から時間を測って解くべきですか?
-
学習初期は時間より弱点発見を優先して構いません。知識がある程度固まった後、試験直前の未使用問題で時間を意識して解く方が、初見問題への対応と時間配分を確認しやすくなります。
まとめ|過去問は問題数より「次に何を直すか」を決めるために使う
衛生管理者の過去問は、何年分解いたかを競うものではありません。まず公式の公表問題で現在地を確認し、その後は問題集等も使いながら4〜6回程度まで広げ、○・△・×で弱点を絞っていく方法が効率的です。
1周目は全問、2周目は△と×、3周目は残った×だけにすれば、理解済みの問題へ時間を使いすぎません。さらに未使用問題を最後まで残せる場合は、本番前の初見チェックとして使えます。
古い問題を使う場合は、関係法令を中心に現在の制度と同じか確認してください。過去問で間違えた場所からテキストや一次資料へ戻り、別の問題でも判断できるようになれば、過去問を単なる答え合わせではなく学習計画の中心として使えます。
この記事で確認した主な一次資料
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会|公表試験問題
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会|第一種・第二種衛生管理者の紹介・受験資格
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会|免許試験についてよくあるご質問
- e-Gov法令検索|労働安全衛生法
- e-Gov法令検索|労働安全衛生規則
情報確認日:2026年10月2日。公表試験問題、試験科目、合格基準、法令等は変更される場合があります。公式サイトの掲載問題も定期的に更新されるため、実際の学習時には公益財団法人安全衛生技術試験協会およびe-Gov法令検索等の最新情報をご確認ください。「4〜6回程度」「○△×」「1周目・2周目・3周目」という整理は公式基準ではなく、当サイトが学習管理のために提示する方法です。
