衛生管理者の受験資格は?学歴・実務経験・必要書類を公式情報で確認【第一種・第二種】

執筆・編集まっく部長公開日

第一種・第二種衛生管理者試験は、誰でもすぐに受験できる試験ではありません。

代表的な受験資格では、学歴等と、その後の労働衛生に関する実務経験を組み合わせて確認します。

たとえば、大学・短期大学・高等専門学校を卒業した人なら、その後1年以上の労働衛生実務、高校・中等教育学校を卒業した人なら、その後3年以上の労働衛生実務が代表的な受験資格です。

また、学歴によらず、10年以上労働衛生の実務に従事した経験があれば受験できる区分もあります。

ただし、会社員として勤務していた年数が、そのまま労働衛生の実務経験になるわけではありません。

さらに、専門学校卒などは学校名だけで一律に判断できず、公式の受験資格コードを確認する必要があります。

代表的な受験資格を先に確認
大学・短大・高専

卒業後1年以上の労働衛生実務

高校・中等教育学校

卒業後3年以上の労働衛生実務

実務経験10年以上

学歴によらず、10年以上の労働衛生実務

この3つは代表的なルートです。公式の受験資格には、専修学校、職業訓練、外国の教育課程など、ほかの区分もあります。

3分で確認|あなたの取得ルートを整理

第一種・第二種、受験資格、実務経験、取得期限まで質問に答えながら整理できます。まだ教材や講座を決めていない方は、先に自分が次に確認すべきことを整理しておくと無駄を避けやすくなります。

個人情報の入力は不要です。判定によっては「受験資格の確認が先」「まず独学で進めやすい」と表示します。

この記事でわかること
  • 第一種・第二種衛生管理者の受験資格
  • 大学卒・高校卒・実務10年以上の代表的な条件
  • 専門学校卒を一律に判断できない理由
  • 労働衛生の実務に含まれる業務の考え方
  • 勤続年数と実務経験年数の違い
  • 受験資格を証明するために必要な書類
  • 転職して複数社で実務経験がある場合の扱い
  • 派遣社員の事業者証明書を誰が作成するか
  • 受験資格が足りない場合の考え方
受験資格の最終確認について

この記事は受験資格を理解するための整理資料です。個別の受験資格を当サイトが認定するものではありません。

申込み前には、公益財団法人安全衛生技術試験協会の最新の受験資格表・受験資格アシストで、自分の条件と必要書類を必ず確認してください。

目次

第一種・第二種衛生管理者の通常試験は受験資格が基本的に共通

第一種衛生管理者と第二種衛生管理者では、試験範囲や資格取得後に選任できる業種が異なります。

しかし、通常の第一種・第二種衛生管理者免許試験については、基本となる受験資格体系は共通です。

第二種だから大学卒後の実務経験が不要になる、第一種だからさらに長い実務経験が必要になる、という関係ではありません。

たとえば、大学等を卒業した後1年以上の労働衛生実務という代表的な受験資格は、通常の第一種・第二種のどちらを受験する場合にも使われます。

受験資格ではなく、第一種・第二種のどちらを取る必要があるか分からない場合は、先に第一種・第二種衛生管理者の違いを確認してください。

受験資格の代表3パターン

安全衛生技術試験協会の受験資格表には複数の区分がありますが、多くの受験者がまず確認するのは次の3パターンです。

代表的な区分必要な実務経験代表的な添付書類
大学・短大・高専卒卒業後1年以上卒業証明書等+事業者証明書
高校・中等教育学校卒卒業後3年以上卒業証明書等+事業者証明書
労働衛生実務10年以上10年以上事業者証明書

重要なのは、大学等や高校等のルートでは卒業した後の実務経験を確認することです。

在学中の経験や、卒業前後の期間をどのように扱えるかを自己判断せず、公式の受験資格表と証明可能な期間で確認してください。

大学・短大・高専卒は卒業後1年以上の労働衛生実務が代表的

受験資格コード1-1では、学校教育法による大学(短期大学を含む)または高等専門学校を卒業した人について、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験が条件とされています。

代表的な添付書類は次の2つです。

  • 卒業証明書または卒業証書・学位記の写し
  • 事業者証明書

つまり、大学を卒業しているだけでは受験資格を満たしません。

卒業後に必要な労働衛生実務を経験し、それを事業者証明書で証明できることまで確認します。

高校・中等教育学校卒は卒業後3年以上が代表的

受験資格コード2では、学校教育法による高等学校または中等教育学校を卒業した人について、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験が条件とされています。

代表的な添付書類は、大学等のルートと同じく、学歴を証明する書類と事業者証明書です。

なお、公式の注意書きでいう中等教育学校は、中高一貫教育の学校を指しており、中学校そのものではありません。

学歴に関係なく10年以上の労働衛生実務でも受験できる

受験資格コード8では、10年以上労働衛生の実務に従事した経験を有する人が受験資格の対象です。

この区分では、代表的な添付書類は事業者証明書です。

したがって、衛生管理者試験は大学卒や高校卒でなければ受けられないわけではありません。

一方、必要なのは一般的な勤続10年ではなく、労働衛生の実務経験10年です。

代表3パターン以外にも受験資格がある

大学卒1年、高校卒3年、実務10年以上は分かりやすい代表例ですが、公式の受験資格はこの3つだけではありません。

安全衛生技術試験協会の現在の受験資格表には、たとえば次のような区分があります。

  • 大学改革支援・学位授与機構から学士の学位を授与された人
  • 専門職大学の前期課程を修了した人
  • 一定の省庁大学校を卒業・修了した人
  • 一定の専修学校専門課程を修了した人
  • 一定の職業訓練課程を修了した人
  • 高等学校卒業程度認定試験に合格した人
  • 外国で一定の学校教育課程を修了した人

これらは必要な実務経験年数や添付書類が同じとは限りません。

該当しそうな場合は、一般的な大学卒・高校卒ルートへ無理に当てはめず、公式のコード番号と添付書類まで確認してください。

専門学校卒は一律に1年・3年と判断しない

衛生管理者の受験資格で、特に判断を誤りやすいのが専門学校卒です。

安全衛生技術試験協会は、受験資格コード1-1の大学・短期大学・高等専門学校について、一般の専修学校や高等専門学校以外の各種専門学校、各種学校は含まれないと注意しています。

そのため、専門学校を卒業したから大学・短大と同じ1年以上の実務経験で必ず受験できる、と考えるのは適切ではありません。

一方で、公式表には専修学校に関する別の受験資格コードがあります。

  • 一定の条件を満たす専修学校専門課程等を修了した後、所定の単位を修得した人に関する区分
  • 指定を受けた4年以上の専修学校専門課程等を修了した人に関する区分

中国四国安全衛生技術センターの案内でも、一般の専門学校の卒業証明書は該当しない場合が多く、対象となる指定専修学校専門課程があると説明されています。

専門学校卒の判断ルール

専門学校という名称だけで受験資格を判断しないことが重要です。

  • 学校・課程が公式受験資格のどのコードに当たるか
  • 修了時期や課程年数などの条件を満たすか
  • 卒業後に必要な労働衛生実務年数を満たすか
  • 指定された添付書類を準備できるか

自分の課程が判断しにくい場合は、申込み前に安全衛生技術試験協会へ確認してください。

労働衛生の実務とは?

学歴と同じくらい重要なのが、受験資格で求められる労働衛生の実務です。

安全衛生技術試験協会は、労働衛生の実務について、事業主が労働者に命じて、労働者の健康保持につながる措置を行う業務と説明しています。

公式FAQでは、代表例として次のような業務が示されています。

公式FAQで示されている例考え方
健康診断結果の取りまとめ労働者の健康管理に関する業務
疾病統計の作成労働衛生に関する統計業務
衛生管理者の補助業務衛生管理業務の補助
健康管理労働者の健康保持に関する業務
作業環境管理職場環境を衛生面から管理する業務
作業管理作業方法等を衛生面から管理する業務

公益財団法人 安全衛生技術試験協会|免許試験についてよくあるご質問

一方、公式FAQでは、単にデスク周りの清掃や電球交換をするだけでは該当しないと説明されています。

つまり、職場をきれいにする仕事なら何でも労働衛生実務になるわけではありません。

勤続年数と労働衛生の実務経験年数は違う

受験資格を確認するときに注意したいのが、会社員として勤務した年数と、労働衛生の実務経験年数を同じものとして考えないことです。

たとえば大学卒業後に同じ会社で5年間勤務していても、その5年間すべてで労働衛生の実務を行っていたとは限りません。

反対に、自分では衛生管理の仕事だと意識していなかった業務でも、健康診断結果の取りまとめや衛生管理者の補助など、公式が示す実務に該当する可能性があります。

したがって、部署名だけで判断するのではなく、実際に何の業務を、どの期間担当していたかを整理します。

会社から衛生管理者を取るよう突然言われた場合も、教材を購入する前にこの確認が必要です。

受験資格は満たすだけでなく、書類で証明する

衛生管理者試験では、自分で条件を満たしていると考えるだけでは受験申請は完了しません。

該当する受験資格に応じた書類で、学歴や実務経験を証明する必要があります。

代表的な3ルートでは、次のように整理できます。

代表ルート主な添付書類
大学・短大・高専卒+1年以上卒業証明書等+事業者証明書
高校・中等教育学校卒+3年以上卒業証明書等+事業者証明書
労働衛生実務10年以上事業者証明書

受験資格コードによって必要書類は異なるため、代表例だけを見て準備せず、最終的には公式表の添付書類欄を確認してください。

複数の勤務先での実務経験は合算できる?

転職経験があり、複数の勤務先で労働衛生の実務を行っている場合は、それぞれの経験を合算して受験資格を確認するケースがあります。

ただし、事業者証明書は現在の会社が過去の会社分までまとめて証明するものではありません。

安全衛生技術試験協会の公式FAQでは、A社、B社、C社で労働衛生の実務を行った場合、それぞれの会社等で事業者証明書を作成してもらう必要があると案内されています。

複数社の経験を使う場合

A社3年+B社4年+C社3年=10年の実務経験として確認する場合でも、原則としてA社・B社・C社それぞれの証明が必要になります。

派遣社員の事業者証明書は派遣元が作成する

派遣社員の場合、派遣元と派遣先のどちらに事業者証明書を依頼するのか迷いやすいところです。

安全衛生技術試験協会の公式FAQでは、派遣社員が受験する場合に事業者証明書を作成するのは派遣元と明記されています。

派遣先へ直接依頼するものと自己判断せず、まず派遣元の担当部署等へ確認してください。

過去に作成した事業者証明書や卒業証明書は使える?

安全衛生技術試験協会の公式FAQでは、過去に作成した事業者証明書や、過去に取得した卒業証明書について、現在でも使用できると案内されています。

ただし、自分の現在の申請条件や氏名等に変更がある場合は、必要な追加書類がないか最新の申請案内も確認してください。

実務経験が足りない場合はどうする?

公式の受験資格表へ当てはめた結果、必要な労働衛生実務年数を満たしていない場合は、通常試験を現時点で受験できない可能性があります。

この場合、通信講座を受講したり、教材を購入したりしても、受験資格そのものが付与されるわけではありません。

まず確認したいのは、本当に労働衛生実務が不足しているかです。

本人が実務だと認識していなかった業務でも、健康診断結果の取りまとめ、衛生管理者の補助、作業環境管理などに該当する場合があります。

過去の担当業務と期間を整理し、公式FAQの例と照合してください。

それでも必要年数を満たさない場合は、受験時期そのものを見直すことになります。

会社から早く取るよう言われている場合

本人が受験資格を満たしていない可能性がある場合は、まず会社側へ共有します。

人事側から見ても、受験資格を確認しないまま取得期限だけを設定しても、現実的な資格取得計画にはなりません。

試験を受けずに第一種衛生管理者免許を申請できる人もいる

受験資格とあわせて知っておきたいのが、そもそも衛生管理者試験を受けずに第一種衛生管理者免許を申請できる人もいることです。

労働局の案内では、一定の要件を満たす人について無試験で免許を受けられる制度が示されています。

たとえば、薬剤師免許を受けた人は、第一種衛生管理者について試験免除で免許申請できる対象として案内されています。

ほかにも保健師など一定の資格・学歴等に基づく区分があります。

これは第一種・第二種衛生管理者試験の受験資格とは別の制度です。

厚生労働省 福岡労働局|無試験で免許を受けられる方

受験資格と試験免除を混同しない

受験資格がある=衛生管理者試験を受けられる条件を満たしている。

無試験で免許を受けられる=一定の資格・学歴等により、試験を受けずに免許申請できる。

この2つは別の制度です。

受験資格を確認する4ステップ

ここまでの内容を、実際の確認手順にすると次の4段階です。

受験資格確認の順番
  1. 自分の学歴・修了課程を確認する
    大学、短大、高専、高校、専門学校等のどの区分に当たるか確認します。
  2. 労働衛生の実務内容と年数を整理する
    単なる勤続年数ではなく、実際の労働衛生業務を確認します。
  3. 公式の受験資格コードへ当てはめる
    安全衛生技術試験協会の受験資格表・受験資格アシストを使います。
  4. 必要書類を準備できるか確認する
    卒業証明書等と事業者証明書など、該当コードで必要な書類を確認します。

会社から資格取得を求められた人の場合は、この4ステップを終えてから試験日・学習計画を考える方が無駄がありません。

受験資格を確認したら難易度と勉強時間を確認する

自分が受験できることを確認できたら、次は試験日までの計画へ進みます。

ここで初めて、難易度、勉強時間、独学か通信講座かを考えます。

受験資格を確認する前に教材や講座を購入するより、順番を整理した方が無駄を避けやすくなります。

衛生管理者の受験資格でよくある質問

第一種と第二種で受験資格は違いますか?

通常の第一種・第二種衛生管理者免許試験については、基本となる受験資格体系は共通です。第二種だから実務経験が短くてよいという関係ではありません。なお、第二種免許取得後に受験できる特例第一種衛生管理者免許試験は別の扱いです。

大学を卒業して1年以上会社員なら受験できますか?

会社員として1年以上勤務しただけでは判断できません。代表的な大学等卒の受験資格では、卒業後1年以上の労働衛生実務が必要です。勤務期間中にどのような労働衛生業務を担当していたか確認してください。

専門学校卒なら実務経験は1年ですか?

専門学校という名称だけでは判断できません。一般の専修学校等は大学・短大・高専の区分に含まれませんが、一定の条件を満たす指定専修学校専門課程等について別の受験資格コードがあります。自分の学校・課程を公式受験資格表で確認してください。

実務経験がまったくなければ受験できませんか?

通常の第一種・第二種衛生管理者免許試験では、代表的な受験資格はいずれも労働衛生実務を伴います。まず、自分が担当してきた業務に健康診断結果の取りまとめや衛生管理者の補助など、公式が示す実務に該当するものがないか確認してください。条件を満たさない場合は受験時期の見直しが必要になる可能性があります。

転職したら以前の実務経験は使えませんか?

複数の会社等で行った労働衛生実務を使う場合があります。ただし、安全衛生技術試験協会は、それぞれの会社等で事業者証明書を作成してもらう必要があると案内しています。現在の会社が過去の勤務先分まで一括して証明する扱いではありません。

派遣社員の場合、事業者証明書は派遣元・派遣先のどちらですか?

安全衛生技術試験協会の公式FAQでは、派遣社員が受験する場合に事業者証明書を作成するのは派遣元と案内されています。まず派遣元へ確認してください。

事業者証明書は必ず必要ですか?

通常の第一種・第二種衛生管理者試験では、労働衛生実務を証明するため、多くの受験資格コードで事業者証明書が必要です。コードによって添付書類が異なるため、自分が該当する公式受験資格表の添付書類欄を確認してください。

過去に作成した事業者証明書は使えますか?

安全衛生技術試験協会の公式FAQでは、過去に作成した事業者証明書や過去に取得した卒業証明書は現在でも使用できると案内されています。ただし申請条件に変更がないか、提出前に最新案内も確認してください。

まとめ|受験資格は学歴だけでなく実務内容と証明書まで確認する

第一種・第二種衛生管理者の通常試験では、学歴等と労働衛生の実務経験を組み合わせて受験資格を確認します。

代表的な受験資格は次の3つです。

  • 大学・短大・高専卒後、1年以上の労働衛生実務
  • 高校・中等教育学校卒後、3年以上の労働衛生実務
  • 10年以上の労働衛生実務

ただし、公式にはこれ以外にも複数の受験資格コードがあります。

特に専門学校卒の場合は、学校名だけで一律に判断しないことが重要です。

また、必要なのは単なる勤続年数ではなく、健康管理・作業環境管理などの労働衛生実務です。

最後に、条件を満たすだけではなく、卒業証明書等や事業者証明書によって必要な条件を証明できるかまで確認してください。

受験資格を確認した後の流れ

第一種・第二種のどちらが必要か確認する

試験がどのくらい難しいか確認する

試験日まで何時間勉強するか決める

独学で進めるか通信講座を使うか決める

この記事で確認した主な一次資料

この記事を書いた人

薬剤師・中小企業診断士。医療系企業で人事部長・経営企画部長を経験。人材採用や組織運営、経営企画の実務経験を背景に、衛生管理者の受験・資格選択を公的な一次資料・公式情報を確認しながら整理しています。

目次